2013年に「和食」がユネスコ世界無形文化遺産に認定されました。
「精進料理」は、その「和食」の礎であり、1300年の歴史を有する根本料理であります。
そして、その哲学は、ジャンルを越えて、あらゆる食の基本になるでしょう。
「精進料理」は、植物由来の野菜、穀物、果物、海藻のみで料理します。
決して、美食を求めるものでも、動物のいたずらな殺戮を求めるものでもありません。
ひたすら植物と向き合うことで、健康、環境、持続可能性、そして、マインドフルネスを満たす善行です。
「有為の善行を積んで、無為の果を得る。」
清らかな植物に、感謝して、生かされる喜びを感じる料理が、精進です。
脳が喜ぶ食は、そろそろ終わりにしませんか―。
仏教の第一の戒律である、不殺生から、精進が始まったと言われます。
しかし、残念ながら、現在では、その仏陀の教えとは、かけ離れ、動物はおろか人間同士の殺戮が絶えません。
清らかな世界とは縁遠くなり、多くの人類は、病気を多発させ、環境を汚し、場当たり的な消費に躍起になり、精神も異常をきたしています。
果たして、人類は進化しているのでしょうか。科学技術の進化は認めるものの、人類はむしろ相反し、劣化しているのではないでしょうか。
およそ持続可能な社会とは言えない現代にあって、少しでも人間本来の清らかで、無垢なる身心の復活に希望を抱きます。
そのための、先人の知恵がSHOJINです。多くの課題を抱えた現代人、現代社会に、植物の力と慈愛によって、持続可能性をもたらします。
27歳で脱サラし、滋賀県大津市の禅寺月心寺の村瀬明道尼に弟子入り。3年間の修行を通じ、棚橋俊夫は天の恵みをいただく精進料理の奥深さを知った。以後、心身を清めながら豊かに生きるライフスタイルを広めるため、国内外で意欲的な活動を続けている。野菜本来の美味しさを引き出す調理方法を啓蒙し、自らも「料理屋の料理になってはいけない」という信条から毎朝1時間かけてゴマ豆腐用のゴマをすりあげる。現在は「是食キュリナリーインスティテュート」を立ち上げ、精進料理を通じた食の教育を推進。現代人の生き方へ提言を続けている。
At the age of 27, Toshio Tanahashi quit the rat race and became an apprentice at the Zen Buddhist Gesshin Temple in Shiga Prefecture. Through three years of training, he learned of the depth and richness of traditional Buddhist monks’ vegetarian cuisine, known as “shojin ryori”. Since then, he has been working hard nationally and internationally to promote a fulfilling lifestyle that purifies body and mind. Toshio instructs people on how best to prepare vegetables to draw out their natural deliciousness. Based on his belief that his cookery should not become “restaurant food”, he spends an hour every morning grinding sesame to make sesame tofu. Toshio has founded the ZECOOW Culinary Institute, which promotes food education through traditional Buddhist vegetarian cuisine.